お子さんが不登校から復帰することを決めたものの、復帰することが怖いと言っている場合、どのように対応すればいいのでしょうか?
親としては、子供の不安を取り除きたいと思うかもしれませんが、その対応に迷うこともあるかもしれません。
この記事では、子供が復帰に対して抱く不安の原因や、その不安を和らげる方法について詳しく解説します。
親として不安や悩みを抱えている方、是非最後までお読みいただき、お子さんの復帰を支援していきましょう。
1.不登校から復帰するのが怖いという子供の心理を解説
不登校からの復帰は、子供にとって大きなチャレンジです。
特に、周りの目やクラスメイトとの関係、新しい環境への適応など、不安や心配事が尽きません。
この章では、不登校から復帰することが怖いという子供の心理を深堀りし、具体的な不安の原因を紐解いていきます。
1-1.周りからどう思われるのか分からなくて怖い
子供たちが不登校からの復帰をためらう一つの理由は、周りからどう思われるのか分からなくて怖いという心理です。
このような心理は、自己評価や社会的比較に関する心理学の概念に基づいています。
つまり、子供たちは自分自身がどのように見られているかについて敏感であり、他人からの承認や評価に依存する傾向があるため、周りからの反応に対して不安を感じるのです。
例えば、周りの人たちから「なぜ学校に来なかったの?」と問われた場合、子供たちはどのように答えたらよいのか分からず、不安になってしまいます。
また、周りのクラスメイトが不登校の原因や背景を知っている可能性もあり、それに対する偏見や差別を恐れている場合もあります。
このように、周りからの評価や反応に対する不安は、子供たちが復帰に踏み出す際に非常に大きな壁となることがあります。
1-2.学校に行っても独りぼっちでつらいのではないかと不安
不登校の子供たちは、学校に行かなかった期間が長くなるにつれ、学校に戻ることへの不安が増します。
特に、「学校に行っても独りぼっちでつらいのではないか」という不安が大きいです。
不登校になる前は学校に通っていたため、同級生や友人がいたはずですが、復帰時には自分と同じクラスの子供たちはもう新しい友達を作っているかもしれないと考えると、再び同じ環境で生活することが怖くなります。
1-3.クラスの人に無視されたり嫌がらせを受けるのではないかと心配
不登校から復帰する際、クラスの人たちに無視されたり、嫌がらせを受けるのではないかという心配を持つことがあります。
このような不安は、社交不安障害や適応障害といった精神疾患の症状である場合もあります。
以下は、クラスの人たちからの無視や嫌がらせといった具体例です。
- 以前の友達とは疎遠になり、新しいグループに入れてもらえない
- いじめや嫌がらせを受ける(例:噂話をされたり、財布を取られたりする)
- 身体的な攻撃(例:暴力や殴る、蹴るなど)
これらの出来事は、子供たちにとって大きなストレスとなります。
実際にこれらが起こるのではないかという心配によって復帰するのが怖いという子供は多いです。
2.不登校から復帰するのが怖いと子供が行ってきたときの親の対処方法
不登校からの復帰は子供だけでなく親にとっても大きな課題であり、不安や心配がつきまとうものです。
親は、子供を強制的に学校に行かせることはできず、子供自身が行くことを望むようになるためには時間がかかる場合があります。
この章では、子供が不登校から復帰することに不安を抱いているときの親の対処方法を紹介します。
2-1.無理に学校に行かせようとしない
子供が不登校から復帰することに対して不安を抱いている場合、親ができる最初の対処法は、子供に無理や強制をしないことです。
子供が自分で学校に行くことを決めることが重要です。
親が学校に行かなければならないと子供に強要すると、子供はより不安を感じることがあります。
親は、子供が学校に行きたくない理由を理解することが重要です。
その上で、子供が学校に行かなければならない理由を話し合い、その場合の選択肢を示すことが必要です。
一方、親が子供に学校に行くことを決めさせると、子供は内心で抵抗を感じることがあります。
そのため、子供に決めさせるよう促すことが大切です。
2-2.子供の話を聞き寄り添ってあげる
子供が不登校から復帰することに対して不安を感じている場合、親が行うべき大切なことの1つは、子供の話を聞いてあげることです。
子供は、復帰に関する自分の感情や不安を誰かに話すことができる場所を求めていることがあります。
親が子供の話を聞いて理解してあげることで、子供は安心感を得ることができます。
以下は、子供の話を聞くための具体的なアプローチです。
聞く姿勢を示す
子供が話をする時間を作り、その時間中は子供に集中して話を聞くことが重要です。
その際、子供の話に真剣に耳を傾け、目を見て話を聞くように心がけましょう。
質問をする
子供に話を聞いてもらえると分かったら、次に質問をすることが大切です。
ただ聞くだけではなく、子供が言いたいことを深掘りして引き出すことが必要です。
ただし、質問の仕方には注意が必要で、子供が自分の意見を自由に話せるように、開放的な質問を心がけましょう。
アドバイスをしない
子供に話を聞いている際、アドバイスをする前にまずは子供の話を理解することが大切です。
アドバイスをする前に、子供が自分で解決する方法を見つけられるよう、聞き役に徹することが必要です。
親が子供に話を聞いてあげることは、子供の自尊心や安心感を育むことにつながります。
子供が復帰に向けて前向きに取り組むためにも、親は子供の話を真剣に聞き、理解し、サポートすることが大切です。
2-3.復帰してもつらかったら休んでもいいと伝える
不登校から復帰した後に学校でストレスを感じたり、不安を抱えたりすることは珍しくありません。
復帰してもすぐに全てがうまくいくわけではなく、時間とともに徐々に慣れていく必要があります。
親が子供に対して、「復帰してもつらかったら休んでもいいよ。復帰後また休んでもそれは失敗ではない。」と伝えることが大切です。
そうすることで、子供は自分のペースで学校に復帰でき、自分に合ったペースで進めることができます。
また、復帰後すぐに全てが上手くいかなくても、休んで調整することができるという安心感が生まれます。
具体的には、以下のような方法が考えられます。
- 「復帰したらすぐに全てが上手くいくわけではない。体調が悪かったら、学校を休んでもいいんだよ」と伝える。
- 復帰後の日々の様子を子供と話し合い、子供がつらいと感じたら休むことを許可する。
- 学校との連絡帳や面談などで、子供が休んだ理由を説明し、子供のペースに合わせた対応を提案する。
2-4.保健室登校を勧めてみる
保健室登校とは、不登校児童・生徒のために学校内に設けられた休息スペースであり、保健師や心理士などの専門スタッフが常駐し、カウンセリングや支援を提供している場所です。
保健室登校は、不登校児童・生徒に対して学校への復帰を支援する一つの手段として注目されています。
保健室登校の利点は、以下のようなものがあります。
- 学校への復帰に向けた一歩を踏み出すことができる。
- 学校に行くことができなくても、学校に居ることができるので、社交性や生活リズムを維持できる。
- 必要に応じて保健師や心理士にカウンセリングを受けることができる。
保健室登校を勧めるにあたっては、子供の意思を尊重しつつ、保健室登校について詳しく説明し、そのメリットを伝えることが大切です。
また、保健室登校にはスタッフが常駐しているため、親が子供と一緒に保健室に行く必要がなく、子供が自立心を育むこともできます。
保健室登校が適切かどうかは、個々の子供に合わせて判断する必要があります。
保健室登校を希望しない場合は、その理由を聞き、別の対策を検討することも必要です。
まとめ
不登校から復帰するのが怖いと子供が言っているときの親の対処方法について、以下のポイントが重要です。
- 子供に無理に学校に行かせようとしない。あくまで子供が行くかどうかを決めるようにする。
- 子供の話を聞き、寄り添ってあげることが大切である。
- 復帰してもつらかったら休んでもいいと伝え、復帰後も休んで失敗だと思わせないようにする。
- 保健室登校を勧めてみることができる。
これらのポイントを守り、子供とコミュニケーションをとりながら復帰のプロセスを進めていくことが重要です。
また、一人で悩まずに学校や専門家に相談することも大切です。